YUSUKE NAKAMURA.net オフィシャルブログ
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文字のはなし
みなさん、こんにちは。
今回は、作品集で使っている文字の話です。

その前に、前回のエントリーで、「Blue」をデザインするにあたって、まず束見本を作ったと書きましたが、実は、それを作る前に最も重要なことを決めなければなりませんでした。
それは、膨大な数のイラストをどうやって見せていくかです。

デザイン的に面白いことや変わったことをすると、それはそれで興味をそそる本になるかも知れません。
デザインする側からすれば、そんな風に自分が面白いと思ったことをギュッと詰め込んで、自分が納得するものを作れば、自分は納得するものに仕上がると思います。
でも、今回は、あくまで中村佑介のイラストが主役であって、イラストの良さを損なうようなことはしないでおこうと心掛けました。

なので、イラストのレイアウトに凝ったりせずに、一番分かりやすく、そして、見やすく、基本的に1ページに1点を掲載し、淡々とイラストを見せていく方法を取りました。

ただ、それだけだとあまりに不親切だと考えたので、ページの端に小さくイラスト番号を付け、本の最後の方に、その番号とイラストのタイトル等が参照出来るインデックスページを設けました。

ここで出て来るのが、文字です。

文字というのは、何かを伝えるのにとても便利なものであると同時に、視覚で読み取って頭で言語化するので、実に奥が深くて難しいと思っています。
どんな大きさで、どんな書体で、どこにどういう風に配置するか…で、印象や分かりやすさが大きく違ってきます。

ということで、「Blue」では、まず、どの書体にするか迷った結果、イラスト番号は「DIN」、それ以外の文字要素は「A1明朝」という書体に決めました。
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DINというのは、ドイツの工業規格の名前から取った書体で、ドイツでは道路標識や、以前は車のナンバープレートにも使われていたものです。

今回の「Blue」のように、ストイックにイラストを見せていく体裁の中で、補助的、且つ、記号的にイラストをナンバリングしていくのにピッタリであり、また、DINを使うことで、この本のコンセプトがより固まるのではないかと考え、使用することにしました。
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A1明朝というのは、「モリサワ」という歴史のある大手書体メーカーが作っている書体で、形の美しさもさることながら、昔の写植特有の墨だまりを再現しているので、中村佑介のイラスト特有のレトロな感じと優しさみたいなものに見事にマッチしていると感じ、使用することにしました。
(「墨だまり」の詳細については、割愛します。)

そういう訳で、画集のデザインと一言で言っても、そういう細かいところをちゃんと考え、単純にカッコいいからではなく、内容とコンセプトに合ったものを選出しています。
a0125984_2161244.jpg
ちなみに、「Blue」のロゴは、それと組み合わせたA1明朝の「中村佑介」の文字と合うように、このDINをベースに太さやディテールを調整して、新たに描き起こしたオリジナル書体です。
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by blue_nakamura | 2009-07-28 02:21
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